2005年10月17日(月) コチカ大脱走!
夜中の12時半ごろ、お風呂から上がって、寝る準備をしているとき、
階段下の棚の上の網戸が開いていた。
あ〜コチカ逃げてった。。
この窓は庭に面していて、気持ちのよい風が吹いてくるので、
網戸になっていて一年を通して開けてある。
網戸はガムテープで貼り付けてあるのだが、
そのガムテープがコチカの執念で開けられるほどに老朽化していたのだ。
うかつだった。。
網戸越しに庭を覗くと、りりり、と音がする。
庭は真っ暗で初めてくらいに降りるから、じっくり匂いを嗅ぎながら探索しているらしい。
これはちょっこらちょいじゃ帰ってこないな。
仕方なく人間は寝た。
そう嫌な予感もしないし、うとうとし始めると全然関係ない夢を見たりする。
きっと大丈夫なのだろう、と無意識はわかっている。
…と、そうわかっているのに、意識はというと、でも心配…なのだ。
心配したい、のか、本当に心配なのか。
たぶん前者、心配したい、のだろう。
枕の横にはコチカシーツがあって、コチカはいない。
この状態が不自然でならない、と思う気持ちを埋めたいのだ。
夫が、コチカやっぱり外に出してやった方(日常的に)がいいんじゃない?
と言ってきた。
そうね〜、と私。
でもケンカするよ、他の猫と。
でも年中はしないだろう。
でも一通りはするハメになるでしょきっと、そしたらエイズ発症してる猫もいるし。
でもさ、可愛そうでね、コチカが。
そうねえ、でもねえ交通事故も心配だしね。。
やっぱり去勢した方がいいのかなあ。
うーん。。でもねえ。
でもでもずくしの会話がしばらく続いて、やがてどちらともなく黙った。
眠れないので、起きて階下へ行き、通りに出てみた。
明日、いや日付変わって今日の夜、十五夜を迎える月が、雲の中にいるのがぼーっと見えている。
湿っぽく、しんとした通りを歩いていく。
十字路をチャコちゃんちの家側に曲がると、塀の上に、新顔ネコがいた。
コチカが見なかった?と言って手を出してみると、首を伸ばしてきた。
首輪はしてないけれど、やっぱり家猫らしい。
白い手足に雉トラの背中はふかふかの毛並。
家の裏手の辺りを見に行き、都合家の一角をぐるりと回った。
コチカのコの字の気配もない。
ま、いいや、きっと帰ってくるさ。
と思いなおし、家に戻って布団に入った。
朝までぐっすり。。
6時半ごろに目が覚めた。
雨降ってんじゃん!と飛び起きて外へ出ると、りりり、と音がする。
ちゃちゃ!と声をかけると、りりり、が駐車場に向かっている。
フェンスの中にいて、コチカは居間の室外機に飛び乗ろうとして、雨に滑ってずるりと落ちた。
にゃ〜、と力なく鳴き声を上げる。
行く手には何の植物か知らないが、濃い緑色のしっかりした草が株を作っている。
これでは一旦室外機に乗らないと、私の方へはこれない。
ほらコチカがんばれ!こっちおいで、と励ますと、なんとか飛び乗れた。
そして窓のフェンスに体を入れ、どうにかこっちに来て、
うまい足場がないものだから、今度はどうやって出ようか考えることしばし。
うへ〜!というくらいにドロボウ(体にくっつく草の実)が体中についている。
疲れているのか、顔がむくんだようになっていて、
明るいのに、真っ黒なおびえたような目をしている。
新聞屋さんが来た。
パジャマ姿で傘を差しているのに、心もとない私は、
業を煮やしてフェンスの間に手を差し入れて強引にコチカを引っ張り出した。
玄関を開けて家に入れると、コチカは一目散に台所に向かい、ご飯のお皿の前で待っている。
昨日開けたばかりのいい匂いのするカツオブシをかけてやったら、ご飯にパクついた。
泥だらけの足。
居間に入ってきたコチカを新聞の上に座らせ、
抜け毛取り用ブラシを軽く使い、ドロボウを取った。
こんなたくさんのドロボウ、ここらにあった?
ある程度きれいになると、コチカは台所に行ってお水を飲んだ。
戻ってきたら私のひざ掛けの匂いを嗅ぎ、私を見る。
眠いんでしょう。
眠いので、暖かい思いをして丸まりたいのだ。
ひざ掛けを私の膝の上にかけると、コチカも自動的についてきた。
座った私の膝の上で毛繕いを始めたけれど、足の裏にドロがこびりついている。
いくら猫でも、そんなものを舐めたらちょっと汚いよね。。
風呂場に連れていき、残り湯を盥にためて、コチカの足をつけた。
嫌がるけれど、うむを言わせず。
そしてティッシュで水気を取ると、それだけで結構きれいになった。
これなら自分で舐めるだけできれいに仕上がるだろう。
今、コチカは寝こけている。
散策が終わってからはどうしていたのだろう。
通りに面したフェンスの内側にいた、ということは、出窓の下あたりで雨宿りをしていたのかな。
なんにしても、冒険できてよかったね〜(AM 7:20)
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